データセンターにおける液体冷却の採用はゼロになりつつあるのか

スコット・フルトン三世 | 2023 年 8 月 24 日

これは、Omdia が今月初めに作成した、データセンターサーバーの悲惨な市場最新情報の中で明るい材料でした。一方、Informa Tech の調査部門は、2023 年の世界サーバー出荷予測を今年 2 度目の下方修正を行い、年間 11% に引き下げました。液体冷却の導入は前年比で減少傾向にありましたが、前例のない成長を遂げています。

「暫定的なデータセンター冷却装置のデータポイントは、液体冷却の導入が急激に増加していることを示している」と、OmdiaのクラウドおよびデータセンターリサーチプラクティスディレクターのVlad Galabov氏がレポート発表時に熱管理装置ベンダーから提供された数値を引用して報告した。一部のベンダーは、昨年下半期に熱機器の売上高が 20 倍にも増加したとすでに報告していました (これはタイプミスではありません) が、2023 年上半期には 50% 以上の継続的な増加が見られました。

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オムディアのデータは、アップタイム研究所が先月行った年次調査分析と矛盾しているように見えるだろう。アップタイム氏は、施設管理者や設計者の間で、少なくとも大規模な液体冷却の導入に対する短期的な関心が低下していると語った。

しかし、ガラボフ氏とオムディアの同僚であるデータセンターのコンピューティングおよびネットワーキングの主席アナリスト、マノイ・スクマラン氏によると、両方の観察を説明する共通点があるという。 Data Center Knowledge への別のメモの中で、Galabov 氏と Sukumaran 氏は、データセンターの運営者と建設業者 (奇妙なことに、特定のハイパースケーラーを除く) が AI ワークロードに特化した高密度の機器に投資を集中していると語った。これらは、まさに液体冷却導入の候補となるクラスのサーバーです。

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ここに新たな現象が現れています。これらの高密度サーバーは当然高価であり、これが出荷サーバーの平均単価 (AUP) の上昇を説明します。しかし、オペレーターはそれほど多くのデバイスを必要としていないため（もちろん、高密度ユニットであるため）、これが出荷数を減少させている原因です。ただし、これらの新しいユニットは AI ワークロード専用になる可能性が高いため、オペレータの液体冷却への投資はこれらの AI サブシステムに限定される可能性があります。そしてそれは、より高効率の空気駆動冷却システムに対する需要の高まりを説明するでしょう。

「クラウドサービスプロバイダーのデータセンターで汎用コンピューティングとストレージを実行するラックの電力密度は 10 ～ 20 KW です」と Galabov のレポートの要約には書かれています。「比較すると、AI モデルのトレーニングをコンピューティングするラックの電力密度は常に 20 KW を超えます。」

これはハイパースケーラーがすでに計画した不測の事態だと思うかもしれません。結局のところ、Facebook の所有者兼運営者であるメタ社は、液体冷却に最適化されていない施設を運営していることが判明したとスクマラン氏は述べています。結果として、Meta が実現できる最善の方法は、エアアシスト液体冷却 (AALC) です。 Microsoft と共同開発された AALC は、メタエンジニアが新型コロナウイルス感染症のパンデミック以前から、より従来型の施設における空冷の能力を拡張できるイノベーションとして宣伝してきたコンセプトです。

OCP Virtual Summit 2020で初めて提案された、エアアシスト水冷式のオリンパス RackServer シャーシ。

2020 年に初めて実証された AALC には、空冷ラックに閉ループ液体冷却を導入することが含まれています。ここで、液体ルートは、プロセッサー (初期のテストでは GPU) に取り付けられたコールドプレートから始まり、ラックレベルのマニホールドを通って、後部ドアの熱交換器 (HX)、および改良された冷却剤分配ユニット (CDU) に進みます。コールドプレートによって吸収された熱は、HX を介して排出され、その後、既存の流出気流を通じて排出されます。

これは間違いなく、製造目的の直接液体冷却 (DLC) コンポーネントとして適格な液体冷却アタッチメントです。しかし、設置後の最終製品は正式には空冷ラックになります。これは、空冷設備がほぼ現状のままであるにもかかわらず、DLC の導入が拡大する理由を説明しています。